KTM EXC ハンドルクランプ破損からの修正
【過去ネタの発掘】
事の発端
2018年春の日野ハードエンデューロに出場したときの話。
レース前日の点検ではなんともなかったんだけど、
当日のスタート5分前にふとハンドルがカタカタと動くことに気づいた。
トップブリッジに固定されているはずのクランプが緩んでいたのだ。
あがいても仕方ないので、ハンドルもげるまで走ってきますわ~
と走ってきたものの結局完走。
しかも、ガタが無くなっていた。
自然治癒した?
いえいえ、コジって動かなくなっているだけ。
KTMのトップブリッジは上の画像のとおり凸になっていて、
クランプが凹になっていて横方向の位置を拘束する構造になっている。
緩んだ状態で負荷をかけたのでクランプ側の凹部分が広がってしまい、
位置決めが困難な状況に。
(クランプは左右が平行に固定されていないとハンドルバーがクランプできない)
で、どうしようか?というお話。
で?どうしたの?
普通なら買い替えるんでしょう。普通の人ならね。
私はとうに感覚がズレているので、
「削ればなんとかなるっしょ」という風にしか見えなかった。
ちなみに、KTMは純正パーツで高さの違うクランプをラインナップしてるので
尚更それ買っとけよ、って感じだけど(笑)
ので、削って治すことにした。
ただ、さすがに素人には左右のクランプを別々に加工して、
満足のいく平行を出せる自信がなかったので、
ブロックにクランプを直列に固定する冶具を作って同時加工した。
これなら、フライスのX軸の真直精度の範囲内で直列にクランプを固定できる。
あとはダーッと削るだけ。
今回、2mm削った。
材質は5056かな。粘っこく、柔らかい。
もちろん段差も復元してね。
で、まぁ、面白くもなんともないんだけど、普通に取り付けできる感じになったとさ。
めでたし、めでたし・・・
とは行かないのが道楽機械加工のめんどくさいところ(笑)
ひと手間加える
ようするに元のクランプを2mm削っちゃったので、
ハンドル2mm低くなってるやん、アカンやん、って話。
じゃ、おまえ2mmの差を感じれんの?と言われると、
イタイところだけど、そこは気づかないフリをする。
で、手ごろな材料がなかったので、こんなブロックを
こんなふうに切り出し。ちなみにこちらはジュラルミンっぽいね。キンキンに硬い。
それをこんな感じに削りだす。
「え?ちょ、おま・・・どんだけ?」と思った?
どんだけ削っとんねんと(笑)
記事で書くと2行だけど、作業は3日くらいかかったよ。
まとめ
まとめるほどの内容でもないけど、
普通に取り付け完了。
今回、クランプを2mm掘って、5mmのゲタを履かせたので、
3mmアップしている。
元の高さにするなら突き出しを調整しようかと考えていたけど、
変化が体感できなかったのでそのまま組んでおしまい(笑)
最近のKTMな人は緩んだ状態で乗っちゃうと、
構造上絶対に同じ壊れ方するので注意。
ベータなんかは左右のクランプ(ベース側)が1部品になっているので、
こういう壊れ方はしない。
そういう意味ではKTMのほうが耐故障性が低い。
どちらかというと、そもそもここが緩んでこんなことにならないように、
日頃から気にしておけっつーお話。
自分もこの教訓を生かして点検するようになった。