フライス盤 Z軸ボールねじ+モータ化(制作編)
前回までのおさらい
フライス盤のZ軸駆動をステッピングモータ+ボールねじに
変更する今回の企画。
フライスの不満をおさらいすると
(1)ハンドル回すの重い、疲れる
(2)Z軸、位置決めが適当
これらをなんとかしようってことで。
前回、制御系がとりあえず動くようになった。
今回は改造用の部品制作。
必要な部品
ズバリ、
・モータとネジを本体(Zベース)に固定するモータブラケット
・ボールねじナットをZキャリッジに固定するナットホルダ
の制作が必要。
それと、追加工として
・ボールねじの長さ変更(ネジ切断)
・Zベースにモータブラケット固定用のネジ穴追加
が必要。
結構大がかりな工事。
モータブラケット制作
いきなり妥協から(笑)
モータブラケットはアルミでいいよね・・・?
ね、いいよね・・・と自分に言い聞かせて、
アルミ板にモータとネジのベアリングサポートを固定
できるように加工。
t=15mmの板を使う。
(このアルミ、柔らかすぎるような気が・・・
材質は何なんだ?5052だと思うのだが・・・)
穴空けるだけなので途中経過はなしよ(笑)
とりつけるとこんな感じ。
ナットホルダの制作
と言うと語弊があるのだけど、
ナットをキャリッジに固定するサポートを作る。
本当のナットホルダは上の画像にも映っているが
既製品を流用する。
ここは強度が要求されるので
渋々、鉄で制作・・・
久しぶりに鉄を加工するけど、硬い!
切粉がアツい!
それにしても、フライス盤を加工するための部品を
フライス盤で制作するって変な感覚と思われないだろうか?
ニワトリとタマゴ的な。
これが旋盤とフライス盤がマザーマシンと呼ばれる所以
なのかなと思う。
機械を作り出す母なる機械。
なので自分自身の一部も作り出してしまう的な。
私は部品を作り出す、作った部品を使う、よりも、
機械そのものが好きなタイプ。
工作機械自体を改造する人は
旋盤とフライス盤がもう1台ずつ欲しくなる、
という話をよく耳にするが
いざ改造してみると、なるほど納得。
もう1台ずつ必要(笑)
ここいらで一旦、フライスのZ軸を分解、
構造を確認。
ウチの機械はZ軸のガイドから、送り機構部までが
少々オフセットしている。
ガイドがキャリッジ前面にあるのに対し、
ネジはキャリッジの裏側についている。
なのでキャリッジとネジを繋いでいるサポートには
相当なネジりの力がかかっておるのだろうなぁ~
とは思っていた。
なので自作するサポート材も鉄にしたわけだが。
で、元のネジをバラしてみたら
位置決めピンが入っている(笑)
中華製しては珍しい気配り。
位置を決めるというより、
回転方向の力を受けるための模様。
それほど応力がかかるのだろう。
しかし、塗膜の上から部品を組み付けるの
どうにかならんかね。一応、精度モノだし剛性が必要な
モノなのに・・・
仕方がないのでこちらもピンを制作。
SS400かな。手応え的に。
会社の職人から「SS400とかS45Cは高回転で加工したほうがキレイですぜ?」
と聞いたので1000RPMで加工してみたが、
心無しか加工負荷が低く感じた。
ちなみに職人は1800RPM~2000RPMで加工しているらしい。
ちょっと怖いので、ウチは1000RPMで(笑)
500~600RPMくらいだとムシれるような加工面になるし、
なんかネバってる感じで気持ちよく加工できないんだけど、
シャキシャキ削れたような気がする。
本当は位置決めピンなので圧入にしたいところだけど、
そんな嵌め合いの穴は、今の私の技能ではとても
あけられないのでサポート側はネジにして、
キャリッジ側に刺さる部分だけ径を追い込んだ。
そのピンとサポートがこちら。
まぁ、硬いわりには上手く加工できたんではないか。
と、自画自賛。
ピンの嵌め合いもプラハンでコンコン叩いて入るくらいなので
いいんじゃないか。
ボールねじの長さ変更
と、見出しをつけるほどのことではない。
ただ切るだけ。
今回持ってきたネジが
異様に長いのでほどよい長さに切る。
と、言いつつも短すぎて取り返しがつかなくなるのも
嫌やな、と弱気になってたらちょっと長すぎた(笑)
ちゃんと計りなはれ・・・
養生してサンダーでガーッと火花をまき散らしながら
ブッタ切る!
Zベースに穴追加
こいつが一番大変。
Z軸を一旦バラさないといけないので。
キャリッジを抜き取って、
ステージ上に転がしておきつつ・・・
ベースを抜き取る。
で、ペンキを剥がしてモータブラケットを取り付けるネジ穴加工。
ほら~手加工するから1か所(右下)、盛大にズレちゃったじゃないか!
しかも穴の垂直も出てないし・・・
だからもう1台フライスが欲しいって。
ブラケット側のバカ穴ぶんで吸収できたからいいけど。
完成の図
ひとまずモータとネジをベースに固定することができそう。
ガイドとネジの走りを調整(平行調整)しないと。
まだキャリッジ側のサポートとナットホルダの固定
穴加工しなきゃいけなかったり、
サポートとナットホルダの取り付け面高さが
あってないのでモータブラケット側の厚みを
追い込まないといけなかったり、
細かいことは残っているけど
もう少しで完成の予感。