おさだ精密工業

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KX85旅立つ!

はじめに

今年も8耐に出ようと思っていたKX85だけど、

なんやかんやあって出場を見送ることになった。

 

もともと8耐に出るために購入した車体なので

出場しないならいち早く次のオーナーの元に

送り出してあげないと、ということになり

整備+売却の流れとなった。

 

メンテナンス1:外装

売却するにあたり見栄えが重要なので

まずは外装のお色直しから。

 

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カッティングシートを

カッティングプロッタで切り抜いてペタペタ。

ステッカーはこれを使用。

www.amazon.co.jp

表面に耐UVフィルムを貼るタイプなので

対候性は高い。エッジの部分から水を吸ってインクが滲むので

クリアスプレーを吹いたりするのがコツ。

 

くたびれた外装もデコレーションすればこのとおり。

売れるかどうかは見た目が大きく左右するので

重要な要素。

 

 

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 ※とは言えカッティングシートなので

  オフロードユースにはちょっと不適切。

  2,3回走ったらボロボロになる。

  なので一応出品にあたってそこは断りを入れておいた。

 

メンテナンス2:オーバーホール

腰上とクラッチの消耗品交換もしておいた。

KX85はレーサーなんだけど、

レーサーなんてのは、メーカー推奨のメンテナンス周期が

驚くほど短い。

そのとおりにやっている人は個人ではいないだろうけど。

 

でも、我々が前オーナーから買った時点でのメンテナンス状況と、

我々も15時間くらいは乗っているので、

ぼちぼち腰上とクラッチ交換くらいは必要だろうということで実行。

 

そうしておいたほうが最終的には高値で売れるだろうし。

(出品時にオーバーホールしましたよ!ていう画像付きにすれば

 買い手も安心でしょうし)

 

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85㏄とはいえさすがはレーサー。

すんごいポート形状してますなぁ。

 

ちなみにこのエンジン、

いっちょ前に排気デバイスがついているんだけど、

オーバーホールのコツとしては

腰したからのコネクションロッド(?)みたいなのは

シリンダについたまま引き抜いたほうが楽。

(バラすのに一生懸命で画像撮り忘れた)

 

クランクケースのロッド挿入部にボルトが1本とまっているので、

それを取ってシリンダの固定をすべて解除すれば

コネクションロッドごと引き抜けるはず。

ウチはこのときうまくロッドが抜けなくて腰上でリンクを分解したが

組むのが面倒だった。

 

ギアの噛み合いでロッドが抜けなかったみたいなので

抜けにくいときはフライホイールクラッチを左右に回転させてみると

抜けると思う。

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クラッチはまぁキレイだった。

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クラッチプレートも0.1mmしか減ってなかったし、

フリクションプレートも焼き色なんてもちろんついてなかったし。

一応交換部品買っちゃったので交換するけど、

外したやつも応急処置用に次ぎのオーナーに渡そう。

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走っている間、ずぅ~っと半クラみたいな使い方なのに、

ほとんど摩耗していないとは驚きだ。

前のオーナーもこまめにメンテナンスしてたのかもしれない。

 

おまけ

フライホイールウェイトも作っていた。

が、使っていない。

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乗る前は、超弩級ピーキーマシンだろうと思っていて、

ちょっとでも低速の粘りを出したいと思って制作したが、

いざ乗ってみると

85㏄という排気量でまともに走るためには

ピーキーにするしかないということが理解できた。

ウェイトをつければたしかにマッタリして低速も粘るかもしれないけど、

その分回したときのパワー感がスポイルされてしまいそうで、

トータル的な戦闘力としてはウェイト無しでブン回しながら

乗るというのが正解だろうと判断し、取り付けなかった。

まぁつけて走ってないのでわからないんだけどね。

 

ただ、ウェイトをつけることを否定しているわけではなく、

乗る人の好き好きだと思う、ということは断っておきたい。

ウチのチーム員は、私以外振り切れた人しかいなくて、

「全開でブン回しながら半クラで調整して走ればいいんだよ!」

と言いながらキレた走りをしてたっつーだけの話(汗)

自分も最終的に目指す方向はそっちなので

半クラの練習だと思って頑張って乗ってた。

 

でも、このマシン、

回していった先にあるパワーバンドと

そのパワーの生かし方がわかると驚くほど走る。

回転数をパワーバンドに維持するために半クラを使い、

速度が乗ってきたらクラッチを完全につなぐ。

そうしたときに85㏄とは思えない加速をするのだ。

速度が乗ってきたときにクラッチを繋ぎきらないと、

吹けあがるばかりでパワー感がついてこないし、

スロットルを戻すと、パワーバンドが狭いのですぐに「モォ~」と

失速してしまう。

すべてがカチッとはまったときに、底力を出す。

28馬力は伊達じゃないのだ。

ただ、28馬力出る領域が限りなく点で、

それをすべて路面に伝えきれるシチュエーションは

限られているものの。

 

そして、なによりも自分のような下手クソな乗りてにとって

これを感じるというのがすごく大事だということを痛感した。

250㏄の2stレーサーに乗っているとエンジンパワーがありすぎて

下手でも誤魔化しながらそこそこ走ってしまうからわからないのだ。

85ccだとうまく伝えないと全然走らない。

 

そして、自分のまわりにいる振り切れた人たちは、

この感覚を子供のころから身に着けているから

マシンや路面からの情報を感じる能力が桁違い。

本当に身体のセンサーが凡人よりも一桁鋭いと感じる。

スロットルの開け方、クラッチのあて方、

話を聞いてるだけじゃ「はぁ?」という感じだが

こういう経験をひとつひとつしていくと、

そういことか・・・と納得できる。

 

ギャラリー

売却用に使った画像たち。

見栄えよくするために一眼レフで撮影(笑)

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おわりに

もともと8耐に出るために購入した車両だが、

大事なことを教えてくれた。

手に入れてから手放す瞬間まで、少しもグズらなかったし、

本当にいい子だった。

次のオーナーのところでも元気で頑張ってほしい。

 

こうしてみると、

小排気量のレーサーを感じるのは悪くないなと思う。

次はステップアップして125のモトクロッサーに

乗ってみたいね。

子供のころから乗っている子たちは

50㏄→85㏄→125㏄

とステップアップしていくのだろうから、

そりゃ上手くなるわな・・・と。

 

もしくはトラ車に乗って、トラクションを感じる練習も悪くないなぁ・・・

と思う今日この頃。