おさだ精密工業

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Beta RR2Tのダミーヘッドライトを作った(制作編)

はじめに

KTM乗ってたときにヘッドライトつけたまま
白井に行って岩の上でコケまくってたら
レンズが割れるわ固定部が折れるわで
散々だった。
 
しかも、ヘッドライトって結構高くて
2万円とか平気でする。
そんなもん2度と壊したくないっつーことで
RR2Tでは普段外している。
ただ、ヘッドライトカウルに
ぽっかり穴があいているのもさみしい。
 
巷ではヘッドライトエリミネータとか
ヘッドライトシェルとか言ってライト部分の蓋が
売っているがそれほどガチなものはいらないから
自分で作れないかなーというネタ。

 

前回が準備編で↓

osada-komuten.hatenablog.jp

 今回制作していく。

 

カイダックでどんなん?

簡単に説明すると、

熱を加えるとテロテロに柔らかくなり、

冷めるとまたもとの硬さに戻る樹脂のこと。

詳しくは製造元のサイトを読んでほしい。

www.sumibe.co.jp

強度と一言でいうのは難しいが、

硬さと靭性が絶妙で

パリッとは割れないけど、岩みたいな先の尖ったものを

突き刺しても簡単に貫通する感じでもない。

箱型に作ると剛性も出る。

そんな不思議な材質。

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準備したもの

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・キッチン

 カセットコンロが使えれば外でも可

・カイダック

 必要な大きさに切って。

 金切りばさみみたいゴツイのがあったほうがいいと思う。

・嵩上げ台

 カイダックを柔らかくして型に押し付けて形状を転写する。

 押し付けるというか、引き下げるようなイメージで作業したいので

 型を高い位置配置して引きしろを稼げるような台がよろしい。

 私はボウルを使用した。

・軍手

 2重にした。が、正直もうちょっと熱くない手袋にしたい。

 熱すると柔らかくなるというが、

 素手では絶対触れないくらい熱を加える必要があるので。

 じゃ、遮熱性の高いものならなんでもいいのかというと、

 柔らかくなった状態だと手袋の表面の状態も転写されたり

 ケバケバが付着したりするので手袋の素材も向き不向きがある。

・ヘラ的な棒(必要に応じて)

 凹部のフィット感を出すために

 指先でおさえるがいかんせん熱いので

 長時間触ってられない。

 なのでヘラみたいなものを押し付けると形は出しやすい。

 が、ヘラを押し付けた形状の転写されるので注意。

 特に柔らかい状態だと余計に。

 ちょっと冷えて硬くなったくらいで使うとよろしい。

・ヒートガン

 おおざっぱなフィッティングが完了した後の

 微調整はヒートガンでチマチマ温めながら行うので必須。

 できれば吹き出し口が細くできるアタッチメントがあったほうが

 余計なところを温めなくて済むのでおすすめ。

 

最初はガスコンロで炙ってザックリ成型

ガスコンロで熱してみるとわかるが、

思ったよりも柔らかくならない。

もっとグニャグニャになるかと思ってたけど

細かい形状への追従はとてもとてもできないと感じるだろう。

ちなみにだからと言って調子にのって炙っていると、

いくらカイダックとはいえ焦げるので注意。

最初はいらないところを炙ってみて、

どれくらいで焦げるのか?焦げるまでの表面状態の変化

を見ておいたほうが後々トラブルにならないだろう。

 

ネットで調べてみると

「コンロがないと無理」

「ヒートガンなんかじゃ細かい形状は出せない」

と言っている人もいるが、ぜんぜんそんなことはなくて、

この後説明するがヒートガンこそ必要で、ガスコンロはイマイチ?

な印象だ。

 

なおカイダックは片面が艶で、もう片面がシボが入っている。

今回は表面にカーボン調シートを貼るので艶面を外にした。

施工性はどちらも変わらない。

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ザックリ形状が出たらヒートガンで修正

普通の軍手は使わないほうがいい的な

ことが書いてあるページもあるが・・・

私は全然そんなことは思わなかった。

確かにヒートガンで熱した直後に

触ってしまうと毛がついたり依然に

カイダックの表面が崩壊してしまって

元に戻らなくなってしまうが、

ちょっと冷えてから触れば普通の軍手でも

作業可能だと感じた。

↑の画像と比較すると膨らんだところを

修正したのがわかると思う。

ヒートガンで温めて → 引き下げて → 冷めるのを待つ

の繰り返し。凹部分は引き下げつつ上からヘラなり

指で抑えるという作業の繰り返し。

 

ヒートガンで温めていると表面が湿ったような

艶感が出てくる。こうなったらこれ以上温めるのはやめる。

すぐに焦げるというか沸騰する。

しかも湿った状態ですぐ触るのもNG。

 

なお、湿るほどあたためる必要があるのは

かなりシビアなところだけだ。

今回のヘッドライトでいうと、

下の部分の三角形の頂点のところくらい。

それ以外は湿るほど温める必要はない。

最初はここらへんの感覚を掴むべく

温め具合を調整すればいいだろう。

 

で、難しいところを施工するコツとしては

変形させたいところを湿るくらい温めて

少し離れた余白のところを引き下げる。

そうすると柔らかくしたところが薄くなりながら

伸びて型に追従する。

ただし、あまり引っ張りすぎると素材が薄くなるので注意。

今回の下の頂点は厚みが半分くらいになってしまった。

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巻き込むように施工したほうが成功しやすい

型をすっぽり包むように施工したほうが

仕上がりはいいいだろう。

そのかわり完成した後型から外すのが大変なので注意。

凸形状ばかりのものは割と簡単。

包み込みながら膨らんだところを温めて

巻き込みなおすをグルグル回りながら繰り返すと

↓の画像のような状態になる。

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満足いったら余計なところをカット

いらないところをハサミなどでカットする。

それでも巻き込んで施工していると型から外れないと

思うので、

リュータで巻き込み部をギリギリまで削り落としてやる。

あと、今回はネジ止めするので耳の部分を残しておく。

 

ちなみに切削性は良いのでリュータに超硬ビットを

つけるとサクサク削れる。

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最終仕上げ

耳の形をカウルにあてがいながら慎重に決めて穴開けする。

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カーボンシートなんて貼っちゃえば

もう完璧でしょ。

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おまけ:復元力

温めると柔らかくなるだけでなく、

元の板状の形に戻ろうとする。

形状の復元力は軽く戻してみたところ

以下のような感じ。

キツク折りを入れてしまったようなところは

完全には戻らないがだいたいの面は出せる。

 

とは言え、

熱を加えるとパンッと戻るわけではなく、

あくまでもフニャァ~とするだけで

重力に逆らうほどの復元力はない。

そんなところも施工性の秘訣だろうと思う。

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おわりに

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私のようにカーボンなんてガチなやつは

いらないけど、蓋はしたいという人にはピッタリだと思うが

どうだろうか。

量産してヤフオクに流してみるか(笑)

 

という感じ。