はじめに
BetaのエンデューロレーサRR2T。
今ではKTMとかも分離仕様になってしまったが、
数年前までは唯一(だよね?)2stオイルを分離給油していた。
たしかに給油時に混合ガソリンを作らなくていいので
楽なのだがいいことばかりではなく・・・
オイルインジェクターが壊れたり
※注 エンジンの回転で駆動するオイルポンプではなく、
電気式のオイルインジェクタが採用されている
過酷な環境での使用に耐えきれずオイルチューブが
摩耗して穴があくとか。
もちろんそんなことになればエンジンが焼き付く。
そんなこんなでTwitterなどを眺めていると
このオイルインジェクション、割と評判が悪く
混合化している人が多い。
しかも、KTMの話になるけど、
このインジェクタの寿命設定が比較的短く年1回くらいでの
交換が推奨されてたりする。
一方で私は月1~2回しか乗らないため
給油も1か月に1回~2か月に1回程度。
別に混合ガソリンを作るのも苦じゃない。
そう考えると、分離給油でもあまり嬉しくない。
なのでオイルタンクとか取っ払って混合化したよ、
という話。
ちなみに取り外したタンクは↓
外すの割とめんどくさかったよ。
特にうまくまとめるとかでなく、
もがいていた経過を時系列で垂れ流してみる。
外装をバラしていく
外装をバラして
よく見てみるとオイルタンクと
サブフレームが複雑に入り組んでいて
外すのが大変そうなのがわかる。
タンクの固定は
上面から見て右側のサブフレームの
この2か所のみ。
外すとタンクはカタカタ動くけど
抜きとれる気がしないくらい知恵の輪状態だ。
オイルラインの確認
ひとまず大変そうなことはわかった。
で、外しにかかる前にオイルラインを
確認しておいた。
キッタねぇエアクリボックスで恐縮だが
タンクの下の黒い長方形のがオイルインジェクタ。
そこから細いチューブが出ている。
それがダクトの下から外に出ている。
そして外に出てすぐにダクトのチューブガイドの中に
また隠れてしまう。
そしてマニホールドのニップルに接続されていた。
という感じなので、
手が離せなくなる前にチューブをエアクリボックスの中まで
引き抜いておいたほうがいいだろう。
ただし、ニップルからチューブを抜くとポタポタと
オイルが垂れてくるので栓を準備しておいたほうがいいだろう。
知恵の輪のはじまり
ということで準備はできたのであとは
タンクを外すだけだぜ!と、
CDIなど邪魔そうなものを外したら
スライドさせながらタンクが抜き取れるかなー
と淡い期待を寄せたがぜんぜん取れそうにない。
しかたないので
サブフレームというかエアクリボックスをバラしすことに。
ちなみにBetaはサブフレームが樹脂なので
エアクリボックスとサブフレームの境目がわかりにくい。
なので目に付くネジを片っ端から外して
ゆさゆさしてみる。
まずは下からのぞいてM8のボルト2本。
左側面のサブフレームにM6のボルト2か所
(写真左上と真ん中)
おなじく右側面もサブフレーム中央にM6ボルト1本。
ここまで外しても微動だにしなかったので隠しボルトが
あるに違いないと見回すと、
シートをガイドしてる風のゴム部品がサブフレーム上面に
ついてるけど座面が丸くなってるのでネジ穴だろうと思ったら
案の定。M8が2本。
ここまできてもエアクリボックスと
サブフレームが分離しないなーっと、
サブフレームを起こしてみても状況は変わらず。
なかなか手ごわいじゃないか。
で、ちょっと考え込みながら、
サブフレームを不意に開く方向に動かしてみたら
スポッと取れた。
知らなかったが、Betaも2020からサブフレームが分割式に
なったようだ。
で、左右のサブフレームを外したら
無事エアクリボックスが
サブフレームから分離できた。
ちなみにオイルインジェクタには
コネクタが2本接続されているが、
最初に外しておいたほうがいいだろう。
最後にマニホールドのニップルを除去して、
M5×6mm程度のネジで蓋をしておく。
ネジロック材を塗布しておこう。
ついでにTPS(スロットルポジションセンサ)も取外し
オイルの吐出量を決めるため、
キャブにスロットル開度を計るためのセンサがついてる。
しかし、もう無用なので私は取り外した。
TPSにもリターンスプリングがついてるため
若干ではあるがスロットルが重くなっている。
使わないなら外したほうがよい。
ただ、外したところを穴埋めする蓋が必要なので注意。
私は自分で作ったが、Boanoレーシングでも売っている。
TPSを外すためにはまずキャブトップを外しておき、
TPSのT20トルクスボルト(センターピン付)を外せば
抜き取ることができる。
あとは蓋に液ガスを塗って組み付けて完了。
おわりに
無事、摘出することができた。
混合化のメリットとして、混合比のアレンジによって
レスポンスが変化することがよく言われている。
また、オイルタンク満タンで1㎏近く重量があるのだが、
これが無くなることにより車体の取り回しが軽くなるそうだ。
(2021.02.01更新)
なお、オイルが空の状態でのタンク等々の重量は
562gだった。オイルが満タンで650ml入るようなので
約1㎏くらいの重量物をシート下に乗せていることになる。
これが無くなることで敏感な人には操作性の変化として
感じられるということ。
(らしい。私にわかるかと言われると全然自信はないが)
すぐに乗れないのが口惜しいが上記の変化が体感できるか
楽しみだ。
火が入ったら乗り味について追記したいと思う。