おさだ精密工業

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フライス盤 Z軸ボールねじ+モータ化(調査編)

はじめに

これまでもモノ作り系のネタのときに出てきてるフライス盤。

一般的にはXYステージ上にワーク(材料)を固定して、

回転工具を上下させつつXYステージを動かして

加工する工作機械。一応金属も加工できる。

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ウチにあるのはオモチャのような小さな卓上フライス盤だが、

あるとないとでは雲泥の差で加工面の仕上がりは

手作業とは比べ物にならない。

 

今回は、そんなフライス盤の不満を解消すべく

改造していくネタ。

 

現在進行形でアップしていくので

何回かに分けるし不定期に更新することに。

しかも、完了しない可能性も・・・(汗)

気長にお付き合いいただければ幸い。

 

何が不満?

ズバリ、下記2点。

(1)ハンドル回すの疲れる。重い。

(2)Z軸の位置決めが適当すぎる。

 

(1)に関して、

ウチのマシンのようにもっともベーシックな機械では、

XYステージや上下軸(Z軸)の駆動は手でハンドルを回して行う。

もしかすると「機械があると加工するのも楽チンでいいよなー」

と思う人がいるかもしれないが、

そんなに生易しいものではない。

冬でも汗だくになるほど重労働。

 

【Z軸のハンドル】

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こいつをグルグル回してモノを動かす。

小さいマシンだと剛性もないし重量もないので、

精度を出そうとすると摺動部の締め付けをキツくすることになるが、

これのおかげでハンドルも当然重くなってしまうのだ。

 

 

(2)Z軸の位置決めについて

普通、こういう機械のハンドルには以下の画像のように

ハンドル根本に目盛りが振ってあって、

1目盛り回すとステージ(工具)が何mm動くよ、

というのがわかる。

以下はX軸のハンドルだが1目盛り0.025mmで、

1周80目盛りなのでハンドル1回転2mm動く。

ところが・・・・・・

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Z軸にはこのような目盛りはなく、

こんなものが支柱に貼り付けてあり、

Z軸の動作側に三角形の板がついているだけ。

 

誰がどう見ても「は?」と言いたくなると思う。

0.1mm、0.05mmの精度を実現しようとしてるのに

「何この定規?」って。

目盛りくらいケチるなよ・・・と。

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解決策

ハンドル重い問題はモータをつけて、

手で回す代わりにモータに回してもらえばよい。

結構この手のネタはネット上に溢れている。

しかも私のように「疲れるから」というヘタレな理由ではなく、

CNC化(CAD図から自動で加工してくれる)するための

崇高な動機での改造がほとんどだ(笑)

 

単に疲れたくないだけなら、ハンドルの代わりに

モータをつければ(1)は解決。

 

ただ、それだけだとツマラナイので、

ついでにネジも変える。

要するにCNC化している人の多くが

採用している駆動機構と同じ構成になる。

ただ、私はCNC化は目的としていない。

ただ使ってみたいだけ(笑)

 

これが今回使うモータとボールねじ。

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ボールねじ?ステッピングモータ?

あまりうん蓄垂れるのは好きじゃないので

詳しくはググってほしいところだが、軽く特徴について触れておくと

 

・ボールねじ

 上の図からもネジっぽいのはわかると思う。

 モータとネジを本体に固定、

 ナットを動かす側に固定。

 でネジを回すとナットが押し引きされる。

 押し引きされた分ステージやら工具が動くってわけ。

 動く量はネジのピッチで決まる。

 今回は4mmピッチの2条ネジなので1回転8mm動く。

 転造ネジなので精度は高くないが、

 もともとついていたネジに比べれば全然マシだろう。

 (ただの三角ネジだったし)

 2条?転造?と引っかかった方はググられたし・・・

 

 で、ボールねじはナットの中にベアリング同様に

 鋼球(鉄の玉)が入っており、ネジとナットの間を

 コロコロと転がっている。

 これが何よりも特徴的。

 ボールが入っているので摩擦抵抗が極めて低く、

 2条ネジにすることで推進力も高い。

 普通のネジに比べると力強さの違いに驚くし、

 ネジを垂直に立てると、ナットが勝手にクルクル回って

 落ちていってしまうほど摩擦抵抗が低い。

 

・ステッピングモータ

 扱ったことがない人はもしかしたら、

 モータで軸を動かすってイメージが湧かないかも。

 モータっていうと一般的には

 電流流している間クルクル回っているものだと思う。

 でも、それだと今回のように

 ボールねじと組み合わせて所定量動かす、

 という制御は難しい。

 ステッピングモータは上記とはちょっと違って、

 モータにパルスを送ると

 所定角度モータシャフトが回転する。

 モータによって1パルスで何°動くか決まっているので、

 動かしたい量→何パルス必要かを計算すれば

 思ったとおりの位置にステージなり工具を移動できる、

 という仕組み。

 

 今回、Z軸には1回転500ステップのモータを使っているが

 ハーフステップで使うので1回転1000パルス。

 ネジは1回転8mm動くので、

 1パルス0.008mmが最小移動量となる。

 

次回の予定

次回は何かしら動いているところを掲載したいね。

なお、今回触れていないけど(2)の位置決めが適当、

というのはモータにするだけではちょっと手落ち。

だいぶマシになるんだけど。

そこに関しては別の手段を講じるので

そのうちそちらについても着手していく。(と思う)

 

おしまい